UECポケモンだいすきクラブ

電気通信大学公認サークル「UECポケモンだいすきクラブ」です。 ゲーム対戦はもちろん、カードゲームやお絵かき活動などポケモンに関わる様々なことをしています。

【ブログリレー延長戦1日目】現代ポケカを支える最強初動について

ポケモンカードで1ばんつよいカードの話をします。

 

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この記事はUECポケモンだいすきクラブ10周年カウントダウンブログリレー延長戦1日目の記事です。

uecpokemon.hatenablog.jp

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アローラ!UECポケモンだいすきクラブ所属の21生、テテ知と申します。

 

去る2022年6月1日、ついにUECポケモンだいすきクラブは十周年を迎えました。めでたい!

 

10年前の6月1日、当時小学生の僕が何をしていたかというと、当然のごとくポケモンをやっていました。友達の家のWiiで公式PVを見ながら、発売日まで一か月を切ったポケモンブラック2・ホワイト2の新情報に心を躍らせていた覚えがあります。

 

僕にとって、ポケモンブラック2・ホワイト2はかなり思い入れのあるタイトルで、理由は二つあります。まず、ポケモンシリーズで一番やりこんだゲームタイトルだというのが一つ。もう一つは、初めて買ったポケモンカードの商品がBWキュレムを目玉にした商品だったから、というものです。BW2が発売された年のクリスマスに、両親にねだってBW2の攻略本と一緒に両方買ってもらったのでした。

 

この商品を覚えている人がどれくらいいるのか。当然ながら探してみてもほとんど見つかりませんでした。

 

小学生の時にはポケカをやっている友人はほとんどいませんでしたが、デッキが二つあったので、友達にルールを教えて相手をさせたり。イラストがめちゃめちゃカッコよかったので、BWキュレムだけ机の上に飾ったりなんかもしていました。小学校6年間でもトップクラスに楽しかった時期なので、いろいろ思い出せます。

 

・・・

 

少し前置きが長くなってしまいました。そろそろこのブログの題材について話したいと思います。

今回は、大学に入ってからポケモンカードに復帰(と言えるほどポケカをやっていた訳ではないですが)した僕が、テキストに一目惚れした”とあるカード”についての話をしていけたらな、と思っています。

 

突然ですが、皆さんは、現環境のポケモンカードで最強のカードとは何だと思いますか?

アルセウスVSTAR?ゲノセクトV?かがやくゲッコウガ?裏工作ジメレオン?

ふむ。

・・・・・・・・・・

 

”バトルVIPパス”でしょ!!!!!!!!!!

 

今回は、その”バトルVIPパス”とは一体何なのか、何故最強なのか、解説していきたいと思います。僕なりの解釈・考察・誇張表現を多分に含みますので、悪しからず。

ネットのよくわからないおじさんの意味不明なブログを読んでいるような気持ちで読んでもらえたら、嬉しいです。

 

・・・・・・なんて雑な導入なんだ。

 

2体も出せる禁テレ。イラストも最強の風格がある。金ピカだし。

 

 

Eレギュ最大の爆弾”フュージョンアーツ”

2021年9月24日に発売された拡張パック「フュージョンアーツ」。現在の環境デッキであるミュウVMAXデッキの「FUSION(フュージョン)」カードが目玉として収録されたほか、今回解説するバトルVIPパスや、流星のごとく現れ環境を焼いて去っていったクワガノンデッキのアタッカー「エレキブラスタークワガノン」など、ポケカの歴史に名前を刻んだカードの多い、まさに"爆弾"のような弾でした。

 

親の顔より見たフュージョンの面々。テキストを見ればVIPパスとの相性は一目瞭然。インチキ効果もいい加減にしろ!

 

さて、数多の壊れカードとともに颯爽と環境に現れたVIPパスですが、驚くべきことに登場当初は「強そう」止まりの評価で、カードショップ等でもかなり安価に入手することが可能でした。*1当然採用率は低く、今ではズッ友といえるミュウデッキにですら、4投されることは稀だったように記憶しています。

 

では、何故当時のVIPパスは評価が低かったのでしょうか?それは、フュージョンアーツが発売されたときの環境に原因があると考えられます。

 

Cレギュ環境でのVIPパス

さて、フュージョンアーツが発売されたのはCレギュレーション環境末期。僕が当時を振り返ってまず思い浮かべるのワードは、「デデチェンジ」「TAG TEAM GX」の2つです。

「デデチェンジ」は汎用のドローソースとして、「TAG TEAM GX」はデッキのエースとして、お世話になったポケカプレイヤーも多いのではないでしょうか?

 

僕は、当時のバトルVIPパスの評価を追求する上で、この2つは外せないのではと思っています。

 

ドローソースとベンチの空きについて

さて、現行環境で「サポートに頼らず、専用構築にする必要がない、出すだけで使える大量ドローソース」と言われれば、何を思い浮かべるでしょうか?

そう、クロバットVの特性「ナイトアセット」ですね。

完全な偏見で申し訳ないが、ポケカプレイヤーは人の名前を呼んだ回数よりもナイトアセットと言った回数の方が多そう。

しかし、Cレギュレーションには手札交換を可能とする最強のドローソースが存在しました。それが「デデチェンジ」。「デデンネGX」の特性で、効果は「手札をすべてトラッシュし、山札を6枚引く。同名ターン1あり」というもの。クロバットと違い、手札の腐っているカードを捨てつつ、確実に6枚掘りに行けるパワーがあります。

 

雷エネルギーを採用していれば、ターンを貰いながらもう一度デデチェンジを言えるようになるビリリターンGXも地味に強力。

 

もちろん、手札にある切りたくないカードもトラッシュしなければならないため、クロバットとは一長一短ですが、ここで大事なのは、この2枚のカードは、状況に応じて使い分けることができ、1ターンに同時に使えるということです。つまり、多くのデッキでは、クロバットデデンネで合わせて2枚、デッキのギミック、戦法に関わらないポケモンが採用されていることになります。

この2枚のカードは、先攻でサポートが使えないポケモンカードで、先攻が盤面と手札を整えるのに必要不可欠な存在でした。

 

「待って、この話がどうVIPパスの話につながるの?」と思った人もいるかもしれませんが、全然無関係ではありません。

 

まず、この2枚は、「”手札から”ベンチに出したとき」でなければ特性が使えないということです。当然VIPパスでベンチに出してもうんともすんとも言わないので、ボールで手札に加える必要があります。これらのカードとVIPパスの相性はあまりいいとは言えません。Cレギュレーションの環境ではハイパーボールが存在しなかったので、デデチェンジやナイトアセットを使いたいのであれば、自然にクイックボールを3~4投することになります。

 

また、クロバットとデデチェンジを1度の試合に合計2回以上宣言する場合、ベンチを2枠使うことになります。そうすると、ベンチの残りは3枠。初手やデデチェンジ・ナイトアセットやドローサポートのドローによって、クイックボールや今は亡き「ポケモン通信*2」を探してくれば、大抵ベンチにあと1、2枚ほどポケモンが並びます。

 

皆さんもそろそろ気付いていると思いますが、クロバットデデンネのような手札から出したいポケモンの運用を前提にしたベンチでは、VIPパスは”過剰”であり、そこまで安定性に寄与せず、VIPパスの「最初のターン以降で紙切れになる」という欠点が、メリットに対して非常に大きくなってしまいます。

 

デメリットの大きいカードをデッキに入れることは、そうそうありません。しかも当時はサポート権を使わずに相手の手札干渉ができる、「ナイトウォッチャー*3」や「リセットスタンプ*4」の存在や、サーチカードでトラッシュできる枚数が今より少なかったのもあり、VIPパスは今よりも”事故要因”としての色が強かったのです。

 

”たねポケモンで殴る”環境

 

当時のトップメタと言えば、「アルセウスディアルガパルキアGX」、通称「三神」と、ポケモンV最強格である「ザシアンV」を合わせた、「三神ザシアンデッキ」です。環境末期には、そこに「ガラルファイヤーV」を混ぜた「三神ザシアンガラルファイヤー」なるデッキタイプが主流でした。去年の11月のCL福岡、Cレギュ環境最後のCLで優勝を果たしたのも記憶に新しいですね。

 

それぞれのカードにだいぶすごいことが書いてあるが、全てが合わさることで最強になった。

 

このデッキに限らず、「TAG TEAM GX」を主軸に置いたデッキ全体に言えるのが、「最初のターンに置いておきたいポケモンがそれほど多くない」ということです。(例外も普通にありますが、シェア率を見たときにそういう傾向にあった、という認識でいてくれればいいかな、と思います。)

例えば、三神ザシアンデッキの先攻1ターン目の話をすると、極論三神にエネルギーをつけてザシアンで「ふとうのつるぎ」を言えればよいので、場に2枚のポケモンが出せれば、最低限動けるということになります。

他のデッキだと、TAG TEAM GXのデッキでは三神に次ぐ勢いのあった「悪パーフェクション*5」でも同じようなことが言えます。このデッキも、最初のターンにはニューラとガラルファイヤーVあたりを立てておけばいいので、大体2、3枚ポケモンを展開すれば事足ります。

1ターンの準備時間を経てパワーを押し付けに行く三神とは違い、最短ルートでサイドを取りに行くアグロなデッキ。ミュウミュウがバグなので、このデッキもとても強かった。ミュウっていつもそうですね!技マシンのことなんだと思ってるんですか!?

 

さっきと似たような話になりますが、初手に沢山ポケモンを並べたいデッキが少ないため、「初手の安定性を高める」というVIPパスの存在意義が薄い環境でした。そうなるとどうしても事故要因になってしまう面に目が行ってしまうので、採用につながらない、という話ですね。

 

バトルVIPパス、最強への道

 

ここまでつらつらとVIPパスが過去環境にかみ合わなかったという話をしてきましたが、この記事の目的はVIPパスのネガキャンではなく”布教”です。当然ですが、現環境でのVIPパスの立ち位置、強さについても語っていきます。

 

置物界最高峰の性能「はたらくまえば」

現環境でのバトルVIPパスについて語るうえでまず外せないのが、拡張パック「スターバース」で登場した、とくせい「はたらくまえば」をもつ「ビーダル」の存在です。

 

最大5枚ドロー、名称指定ターン1無しと、進化ポケモンだから許された優秀な性能といえる。そこの鋼タイプの君、ちゃんと話聞いてる?

 

ビーダルの最大の特徴は、「進化ポケモンであること」「立てておけば毎ターン、ビーダルの数だけ使えること」「雪道ツツジ*6に強い」の3点です。

「進化ポケモンであること」で、この特性を使いたければ、進化元であるビッパを早い段階で並べる必要が出てきます。「立てておけば毎ターン、ビーダルの数だけ使えること」は、バツグンの安定感を生むため、使うならできれば2ターン目に1、2枚はビーダルを立てたいでしょう。また、「雪道ツツジに強い」というのは、クロバットなどにはない強みです。

そうすると、「1ターン目にビッパを2枚はベンチに出したいな」となります。当然、デッキのメインアタッカーなんかも育てなければいけないので、Cレギュ環境と比べて、格段に「最初に並べておきたい」ポケモンが多くなっています。

 

ハイパーボールが復活したとはいえ、ポケモン通信がレギュ落ちしているため、先攻1ターン目でビッパやアタッカーを複数枚並べるとなると、途中にクロバットを挟んだとしても、それなり以上の手札消費になります。ビッパを並べるなら当然ビーダルにつながるカードも手札に抱えておかなければならないので、思ったより切れるカードも少ないです。

 

そこで役に立つのがVIPパスです。1枚からポケモンを2枚出すことができるため、カード消費を抑えられ、引く必要のあるカードの枚数削減にもつながります。上振れたらすごいことになるのはもちろんですが、「初動の下振れを少なくすること」、つまり初手の安定性に繋がるわけです。ビーダルは、クロバットデデンネでは保障しきれなかった「次のターン」「次の次のターン」の動きにおいて多大な活躍をしてくれるので、とてもVIPパスと相性がいいポケモンなんですね。

 

”進化ポケモンで殴る”時代

 

ビーダルでドローソースの話はしたので、今度はアタッカーとなるポケモンの変遷について考えていきます。

 

スターバース以降、環境では「VSTARポケモン」が台頭してくるようになりました。

ポケモンV以上、VMAXより少し低い程度のワンパンされにくいHPラインを持ち、ポケモンV程度なら「こだわりベルト」込みでしっかりと倒していける200↑ダメージの技を持っています。その上サイドを2枚しかとられないインチキ集団です。実質的な要求エネの軽いポケモンが多く、進化さえすればかなり早い段階からワザを打っていくことができます。

 

さっき三神の話をしたのでこの3枚*7。左からダブルターボ、メタルソーサー、自分の特性に対応。このほかにも、強力なテキストのカードがいくつか。

 

またビーダルの時と似たような話をしますが、これらを運用する上でネックとなってくるのが、「進化ポケモンである」という点です。強力なワザを打つために進化しておきたいので、その前のターン(=1ターン目)にはたねポケモンの方を並べておきたい。現行環境は立ちさえすれば止まらない上、後攻1ターン目からポケモンVを吹き飛ばしてくるデッキが存在するので、先攻でも後攻でもアタッカーの下2枚を含めて並べたいポケモンが多い。

そうなると、やはりバトルVIPパスを使いたいな、となるわけです。アルセウスなどはスターバースから2ターン目以降の盤面形成もできたりしますが、そのほかのデッキタイプだと「1ターン目の盤面が勝敗に直結する」と言っても過言ではないかな、と思います。

 

 

 

ビーダルの話も踏まえると、「1ターン目でどれだけ準備できるか」が重要となる環境でこそ、VIPパスは輝くというわけですね。

 

でもやっぱり相性の悪いデッキタイプは存在するよね、という話

僕は枠があるならVIPパスは4投しようぜ派ですが、とはいえ、やっぱり相性良くないよね、と思うデッキも存在します。「ヒスイゾロアークVSTARデッキ」なんかはいい例ですね。デデンネの話の時にしたように、手札からポケモンを出したい場合、VIPパスはあまり相性が良くないです。

 

シナジー盛りだくさんです!」という顔をしているが、実は収録弾が違う。

 

また、相性が悪いというほどではないですが、デッキのギミックの影響で、採用枚数を抑えられたりします。「うらこうさくパルキア」なんかでは、後1どんよびやカイ、パルキアミラーでの先殴りの仕方*8の関係上、採用枚数が1、2枚であることが多いです。「カードパワーは高いし初手に来たら嬉しいけど、4投するかと言われるとそうじゃないよね」って感じでしょうか。僕は純パルキアにはVIPパスを4投する人間なので、漠然とした予想になってしまいますが。

 

マジですごいことが書いてある。もうこいつが最強カードってことでいいんじゃないか

 

 

 

おわりに

 

いかがだったでしょうか。解説と言うより、僕のVIPパスへの思いをつらつら書いていただけのような気もします。

正直な話、伝えたいことの半分も伝えられた気がしませんが、VIPパスは最強なので、それだけ覚えて帰ってくれたらうれしいです。VIPパスは最強なんだ!

 

雑な導入に雑な締めとなってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。これからもUECポケモンだいすきクラブをよろしくお願いします。もう10年後はアラサーか・・・・・・

 

執筆者:テテ知

 

*1:初動価格~200円程、今だと現在相場800円前後。だいぶ高くなりました

*2:手札のポケモンと山札のポケモンを条件なしで入れ替えられるグッズ。序盤で腐ってしまった進化ポケモンをたねポケモンに変換したり、終盤どうしても持ってきたい進化ポケモンを使わないたねポケモンと入れ替えたり出来た。山札圧縮という面では単純なボール系カードに劣るが、とても便利なカードだった。

*3:オーロット&ヨノワールGX」のワザ。GXワザでないため、「ゲンガー&ミミッキュGX」の「ホラーハウスGX」と食い合わないことから、黒馬バドレックスデッキでは中盤以降の捲り手段として採用率が高かった

*4:グッズ。相手のデデンネクロバットその他のドローを止めつつ手札干渉を行う「雪道リセスタ」はあまりにも有名。三神もそうだが、剣盾レギュのカードで化けたCレギュ産のカードは多い。

*5:ミュウツー&ミュウGXで技をコピーしてデッドムーンGX→グリードクラッシュでサイドを3-3と取りに行くのを目指すデッキ。先2でミュウミュウを出してエネが6枚集約できればよく、1ターン目じゃえん+手張り、2ターン目じゃえん+手張り+じゃあくチャージでピッタリ6枚。あとは2ターン目でシャドーコネクションと言うだけなので1ターン目の必要札はクイボ&なんかポケモン持って来れる奴+悪エネ2枚と、結構少ない。

*6:リセスタがサポート「ツツジ」(相手のサイドが3枚以下の時、自分が6枚、相手が2枚になるよう手札を引き直す)に変わったもの。やろうとしていることは雪道リセスタとほとんど一緒だが、サポート権を使っている、条件によって打てずに手札で腐る、打った側の手札交換になる、等の大きな違いがある。

*7:LEGENDSアルセウスのネタバレやめてください!!

*8:どういうものか気になる人はそのテの人のnoteなんかを探してみてほしい